歯科衛生通信

平成31年2月号 カムカム通信

2019/02/01

歯のコト・口のコト 
~ 歯周病はどんな病気? ~

 ひと言でいうと、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。
 歯ぐき(歯肉)の内側は普段見ることは出来ませんが、歯の根の表面にあるセメント質と歯槽骨との間に歯根膜という線維が繋がっていて、歯が骨から抜け落ちないようにしっかりと支えています。
 むし歯は、歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病はこれらの組織が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまう病気です。
 日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っています。
 日々の生活習慣がこの病気になる危険性を高めることから、生活習慣病のひとつに数えられています。

● 原因 ●

(1)細菌性プラーク(バイオフィルム菌と歯周病原細菌)

 プラークとは、細菌の塊で1/1000gの中に1億を超える細菌が棲みついています。
 この細菌の中には善玉の細菌と悪玉の細菌とがあります。
 唾液成分の糖タンパクが歯の表面に薄い皮膜(ペリクル)を作ります。その皮膜の上にくっついたミュータンス菌(むし歯菌)がショ糖を使ってグリコカリックスというネバネバした物質を作り自分の家づくりを始めます。
 すると棲みやすい場所ができたわけですから、口の中の細菌たち、特に悪玉の細菌が家の中へ多量に侵入して、増えていきます。
 この状態を細菌性プラーク(プラーク)またはバイオフィルムと呼んでいます。
 この中は食べ物(栄養)や水も十分で温度も 37 ℃前後という大変よい環境で、悪玉細菌である歯周病菌は、産生する毒素で歯ぐきを腫らし、血や膿を出したり、歯の周りの骨を溶かしたりする原因となります。
 このプラークは、外からの抗菌薬(化膿止め)や唾液中の抗菌成分の攻撃に抵抗し、薬が効きにくい構造となっています。
 このプラークが唾液や血液の無機質成分を吸って固まったものを、歯石と呼びます。この続きは次号でご紹介します。

訪問コラム ~ 舌苔(ぜったい)ってなに? ~

 舌の汚れは、正常な状態でも舌の表面はうっすらと白い舌苔が少し付着しています。
 通常、食べたり話したりする時に舌が動く事である程度はとれますが、加齢とともに舌の動きが鈍くなったり唾液の量が減ったりすると、汚れがとれにくくなります。
 そして、汚れがついたままになると舌の接する上あごもまた、汚れやすくなるのです。

★舌苔(ぜったい)がつくと
  • 口臭の原因になる
  • 食べ物の味が分かりにくく、おいしく感じられなくなる
  • 細菌の温床となり誤嚥性肺炎や経口感染症にかかりやすくなる

 舌苔は、舌につく汚れの事で、細菌・唾液の成分、口に残った食べかすの集合体で、口腔乾燥、全身疾患、薬の服用、疲労などによっても増えます。
 抵抗力が落ちている高齢者にとって、細菌が多く含まれている舌苔がたくさん付着していると、「誤嚥性肺炎」の危険性が高まり、全身疾患の予防のためにも舌苔のケアが必要になってくるのです。
 舌はデリケートなので舌ブラシを使ってケアしていきましょう!

編集後記

 じき立春ですね。と言っても、まだまだ寒さは続きインフルエンザも流行中。
 今月も健康管理に気をつけ乗り切りましょう。

 さて、今月の歯科トリビア 『歯ごたえのお話し』 です。
 さぬきうどんをはじめ麺類のおいしさは麺のこしにあるといわれていますが、その感覚を私たちはどうやって感じているのでしょう。
 味を区別するのは味覚ですが、麺のこしは味ではなく歯ざわりや歯ごたえ・舌触りなどです。
 宇宙飛行士の食事も、最初はチューブに入ったペースト状にものでしたが、今は形のあるものに変わりましたね。
 これは、柔らかくてかむ必要のない歯ごたえのない食事では、食べた気がしないからでしょう。
 この歯ざわり・歯ごたえという感覚は、歯の感覚と咀嚼筋(かむための筋肉)の感覚から成り立っていると考えられています。
 この場合の歯の感覚は、むし歯になった時の痛む感覚とはまた別のものです。
 自然と使っているこの感覚を次号で詳しくお伝えします。

 編集 竹腰

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