歯科衛生通信

平成31年4月号 カムカム通信

2019/04/01

歯のコト・口のコト 
~ 歯周病はどんな病気? ~

 ひと言でいうと、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。
 歯ぐき(歯肉)の内側は普段見ることは出来ませんが、歯の根の表面にあるセメント質と歯槽骨との間に歯根膜という線維が繋がっていて、歯が骨から抜け落ちないようにしっかりと支えています。
 むし歯は、歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病はこれらの組織が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまう病気です。
 日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っています。日々の生活習慣がこの病気になる危険性を高めることから、生活習慣病のひとつに数えられています。

● 歯周病から併発する怖い病気 ●
  • 心臓病(感染症心内膜炎・狭心症・心筋梗塞)歯周病菌毒素→血管侵入→炎症破壊。
  • 脳卒中(脳梗塞) 歯周病菌毒素→血管侵入→血管が詰まる・血管を破壊する。
  • 糖尿病 歯周病菌毒素→血管侵入→インスリンが効かなくなり、悪化させる。
  • 気管支炎(肺炎) 歯周病菌毒素→唾液と混じり気管で炎症を起こし発病する。
  • 早産(低体重児出産) 歯周病菌毒素→血管侵入→子宮収縮を早め、早産する。

 この様に、歯周病を慢性的に罹っていると様々な病気の危険性を高めることが知られています。
 歯周病のある場所には、歯周病原性細菌とその細菌が産生する毒素、炎症のある場所で作られる物質、プロスタグランディンやサイトカインなどが存在し、これらが歯肉の毛細血管を通じて全身に運ばれたり唾液と混じってしまうと、全身各所で作用し発病します。
 当然、歯周病が悪化するに従い物質量も増えますので、前回お伝えした歯周病になりやすい環境、状態・宿主因子を参考に意識的に避け改善し、定期検診を受けましょう。それでも発病させてしまった場合は、早期発見と治療に努めましょう。

訪問コラム ~ 食べていなくても口腔ケアは必要? ~

 子どもの頃から「食べたら歯を磨く」という習慣になっていると思いますが、食べなければ口の中が汚れないから口腔ケアは必要ないと思っていませんか?
 実は食べていない方が、口の中は汚れやすいのです。
 普段、私達が何気なく行う食事や会話も自然と舌と上顎があたって唾液を出し自浄作用(自分でキレにする、洗浄・抗菌作用)が働きます。
 食べることは最大の唾液分泌刺激ですが、食べなくても口腔ケアを行えば唾液分泌を促し様々な自浄作用を引き出せるので、絶食中の方には口腔ケアで唾液を引き出しておく必要があります。

『唾液の分泌低下は最近の塊の増殖につながります!』
 口腔ケアを行わず放置すると、歯の表面や歯周ポケットだけではなく、舌の表面や入れ歯にも付着し、口臭や様々な感染症の原因になりますので、歯ブラシを使用した口腔ケアが必要です。
 また、身体の中で最も敏感である口の中に刺激を与える事で脳の活性化が期待でき、覚醒状態の改善にもつなげられます。
 さらに、口の中も動かさないと口腔ケア周囲筋の筋肉や舌・唇も動き難くなってしまうのです。
 誰でもしばらくの間入院などをしていると、手足を動かさず関節が拘縮して動き難くなります。
 動かさないと口を開ける事が難しく、舌がうまく動かせず食べようとしてもスムーズに口や舌が動かなくなってしまいます。
 食事をいつでも開始できる様、口や舌をきれいな状態を保ち、口腔周囲筋の低下を防ぐ為に機能の維持改善を目指した専門的な口腔ケアが重要になります。

食べていなくても口腔ケアは必要?

編集後記

 新学期や新生活など物事の始まりを迎えられる方は、ワクワクドキドキですね。
 [僕も仕事で新たなチャレンジします!

 さて今月のトリビアは、【歯科医師が教える正しいガムの噛み方】です。
 甘みを残してガムを捨ててしまうと、歯にシュークロースがついたままになり、せっかくキシリトールガムを噛んだとしても虫歯になってしまうこともあるんです。
 ガムは10分以上噛み続けることで唾液の分泌を促し、歯の掃除の役割を果たします。ですから味がしなくなってもしばらく噛み続けるのがおすすめということなんですね。
 また、あごや口の筋肉が動くことで脳が刺激され、活性化されることも知られています。
 ガムを噛んだ前後の記憶力を調べた実験では、噛んだ後のほうが噛む前と比べ良好という結果が出ています。
 アメリカのスポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるのは日本人にとって「お行儀が悪い」と思ってしまいがちですが、きちんとした理由があってのことなのです。
  ガムを噛みながら勉強する・仕事をするといったことで、あなたの能力や可能性がもっと広がるかもしれません。

 編集 竹腰

ページトップ