歯科衛生通信

平成31年7月号 カムカム通信

2019/07/01

歯のコト・口のコト 
~ 夏休みの歯磨きレッスンのススメ ~

 いよいよ夏休みです。
 お子さんの中には、「夏休みの間に歯医者さんに通って、虫歯を治しなさい」と、お家の方や学校の先生からいわれている人も多いのではないでしょうか。
 そうでなくても、冷たいアイスクリームやジュースはもちろん、あまり「甘い」と感じない炭酸飲料も、砂糖がたっぷり入っています。食べたり飲んだ入りした後は、しっかり歯磨きをして、虫歯予防を心がけたいですね。
 ところで、歯科医院に行くと、夏休みではなくてもお子さんの姿が目立ちます。私は小学生のころは、「大人はきっと、虫歯になっても歯医者さんに行かなくてもいいんだな、早く大人になりたいな」と思っていたものです。
 歯科医院にお子さんが多いのには理由があります。
 実は、大人の歯よりも子供の歯のほうが虫歯になりやすく、虫歯の進行も早いのです。

 生えたばかりの永久歯はとても柔らかく、歯の表面を覆って歯を守っているエナメル質が大人の歯よりも弱いためです。
 また、乳歯に虫歯が多いと、永久歯にも虫歯が多くなるという傾向もあります。
 ですから、乳歯から永久歯に生え変わる時期は特に、しっかりと歯みがきをすることが大切です。

 この夏休み、歯科医院で虫歯の治療を受けたら、これを機会に正しい歯みがきの習慣も身につけていきましょう。
 正しい歯みがきの方法がよくわからない方は、ぜひ、私たちスタッフに声をかけてください。
 歯科医院では、染め出し液をつかって、うまくみがけているのかを調べて、ムラなくきちんとみがけるよう指導しています。
 歯みがきの仕方で驚くほど効果が違ってきますよ。

訪問コラム ~ 口は健康を守る免疫システム ~

 身体の免疫力の大きな役割は、体内に侵入するウイルスや細菌、ガン細胞など、体にとって害のある異物から身を守ることです。
 口は、このような異物の侵入口である事は容易く分かると思いますが、近年の研究で、口の中のような粘膜組織には独自の免疫システムがあることが分かってきています。
 体内のリンパ球などの免疫細胞による免疫システムとは異なり、粘膜そのものが免疫組織であり、粘膜免疫システムといわれています。
 しかし、せっかくの優れた口腔内の免疫システムも、口の中が汚れている状態だと、効果を十分に発揮できません。
 65歳の高齢者を対象に、「普通の歯ブラシのみ」を使用して歯磨きをしたグループと、「歯間ブラシなどの補助的な道具も使い、念入りに口腔ケア」を行ったグループを比較してみると、念入りにケアを行ったグループの方がインフルエンザの罹患率が10分の1以下だったという報告があります。
 さらに、1日2回以上歯磨きをする人は、1日1回の人と比べると、口の中や食道のガンになるリスクが低いことが報告されています。
 口腔ケアは、単に口の中の食べかす等の汚れを取り除くだけでなく、全身の健康維持とも密接に関わっています。
 免疫機能を十分に生かすためにも念入りな口腔ケアを行っていきましょう。

口は健康を守る免疫システム

編集後記

 今夏は酷暑ではないかも、と報じられていますね。
 期待をしながらも、懸念される集中豪雨の被害が少ない事を願います。

 さて今月の歯科トリビアは、【お歯黒は虫歯予防に効果的だった?】を数回に分けご紹介したいと思います。
 まずは、「お歯黒の歴史」からスタートです。
 我が国のお歯黒の歴史は古く、奈良時代に朝鮮半島から伝えれたそうです。
 平安時代には貴族階級に広がり、成人の証として男女とも歯を黒く染めていました。
 後に、染めはじめの年齢が下がり、戦国時代になると武将の娘は早く政略結婚させるため八歳で染めさせていたといいます。
 江戸時代に入ると上流社会から一般庶民にも浸透し、この時期に男子のお歯黒は姿を消します。
 さて、庶民女性にとって、緻密なエナメル質を染めるお歯黒は非常に労力がいる事だったので、人生の大転換期である婚約・結婚を迎えて染める風趣となり、既婚女性の象徴となりました。
 黒は他に染まらない色なので、貞操を意味し、封建制度における女性を、精神的にも外観的にも人妻として強制させる手段でもありました。
 次号は、お歯黒を化学的にご紹介します。

 編集 竹腰

ページトップ