歯科衛生通信

平成31年8月号 カムカム通信

2019/08/01

歯のコト・口のコト 
~ タバコは恐い歯周病の危険因子 ~

 「タバコは害だ」「タバコは身体に良くない」ということは、誰でも知っていますし、喫煙者も含めて、誰もが知っているはずだと思っています。
 しかし、本当のことを理解する必要があります。
 タバコの煙の中には、約4,000種類の化学物質が含まれ、そのうちの約200種類が有害物質で、発がん物質が約70種類と言われていています。
 さらに、喫煙者だけの問題ではなく、喫煙者が吐き出す呼出煙と副流煙からなる受動喫煙により不特定多数の健康までも悪影響を与える点、さらに、タバコを消した後にも残る煙の汚染や健康被害までも留意する必要があります。
 煙が通過する口(口腔)は、悪影響が最初に貯留する器官になります。
 タバコ煙の影響は、口腔の状況によりますが特に、口腔底粘膜は、物質透過性が高く薬剤の迅速な吸収を期待し、舌下錠が使用されるぐらいですので、タバコ煙の影響を受け易い器官です。
 また、ニコチンの血管収縮作用により口腔内の血流減少、ヘモグロビンや酸素飽和度の低下を起こします。
 長期間の喫煙につれて、歯肉出血の減少をきたす為、歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)が深く進行した歯周炎でも、出血が少なく、歯肉のメラニン色素沈着もあり、歯肉の炎症が分かり難く自覚を遅らせます。
 さらに、ニコチンの作用で、歯肉の硬化深い歯周ポケットが形成され、進行し易くなります。
 喫煙と歯周組織の破壊については、喫煙者では、歯槽骨吸収が大きく、結果、歯周炎の罹患率が高く、重度であることが分かっています。
 さらに、ニコチンは、からだを守る機能を低下させ、細菌やウィルス、薬物に対して生体反応の低下をもたらします。
 したがって、喫煙は、歯周病の最大の危険因子ですので、喫煙者は口腔ケア・定期検診は、より意識して行う事をおすすめします。

訪問コラム ~ 歯ブラシはどのように保管をしていますか? ~

 清潔に保管をできているかどうか 「気になるポイント」をお話します!
 口の中の清潔を守る歯ブラシは、保管方法を間違えると細菌が繁殖し不潔な状態になります。
 ついやってしまいがちですが、こんな保管方法はNGです。

× 「毛先を下にしてコップに入れる」

 歯ブラシの毛先が乾かずに雑菌が繁殖しやすくなります。

× 「ユニットバスや洗面台の収納の中に保管する」

 歯ブラシの毛先を上にしても、これらの場所ではなかなか乾きません。

× 「1つのコップに複数の歯ブラシが入っている」

 歯ブラシの毛先がふれ合うと、菌が感染する可能性もあります。

 歯磨きが終わったら、歯ブラシはコップなどにためた水ではなく、流水でしっかり汚れを洗い流して保管をします。
 食べかすだけではなく、歯磨き粉が残っていても雑菌のエサになるので念入りに洗って下さいね。
 そして、しっかり洗うのと同じくらい重要なのがしっかりと乾燥させることです。
 風通しの良い場所でブラシの毛先を上にして、立てて保管します。
 たくさんの歯ブラシを保管する時は、毛先が触れないように仕切りをすることが大切です。
 定期的に新しい歯ブラシに交換することも忘れないで下さいね!!

編集後記

 ようやく夏本番ですね。
 楽をした分、暑さが身体にこたえますが、水分塩分補給して夏を思いっきり楽しみましょう!

 さて今月の歯科トリビアも、【お歯黒は虫歯予防に効果的だった?】を数回に分けご紹介したいと思います。
 今回は、「お歯黒を化学的に見た」コラムです。
 塚から掘り起こされたお歯黒には、むし歯がなく、あるとしても進行が停止しており、予防ばかりでなく進行の抑制や知覚を鈍麻する作用も認められています。
 エナメル質は、極めて染まり難く退色し易いのですが、漆黒の歯であるほど美人とされ、新婦は毎朝清掃と塗布を繰り返していました。
 お歯黒材料は、植物タンニン(渋)を主成分とする「ふし粉」と、酢酸第一鉄を主成分とする「鉄漿水」(かねみず)からなり、筆や房楊枝を用いて塗布します。
 タンニンは、歯のタンパク質に作用して細菌による溶解を防ぎ、第一鉄はリン酸カルシウムに作用し耐酸性を高めます。
 空気酸化で生成された第二鉄はタンニンと結合して緻密な膜となり歯を保護していました。
 現代で使用される「フッ化ジアミン銀製剤」は、このお歯黒をもとに開発されたそうです。

 編集 竹腰

ページトップ