歯科衛生通信

平成31年9月号 カムカム通信

2019/09/01

歯のコト・口のコト 
~ 噛み合わせのお話し ~

 かみ合わせの異常は、上下の歯の位置関係が正常でなくなったことを指します。
 専門的には、様々なかみ合わせの異常があります。成長とともにかみ合わせが悪くなったり、口が閉じなくなったという場合は、顎関節症と言われる病気です。
 しかし、一般的に皆さんが感じるのは、「奥歯のかみ合わせ」に問題がある場合でしょう。
 したがって、今回のテーマは、ある時から急に違和感があるなどに焦点を絞り、ご紹介します。
 歯科医院での詰め物や被せ物をした後に、かみ合わせが高いとか、引っ掛かるというような症状が出れば、調整してもらえば済みますが「歯ぎしり」が原因で、かみ合わせの異常感が生じることがあります。
 「歯ぎしり」には、、グラインディング(歯と歯を左右に擦り合わせる)とクレンチング(一か所でかみしめること)の他、強い力と弱い力、一時的と連続的に行う場合とあります。
 また、就眠時と日中動いている時、など実は誰でも行なっています。
 問題はその程度(強さ、頻度及び持続時間)です。特に夜間の歯ぎしりは無意識に非常に大きな力で行う場合があり、歯に障害が及ぶ場合(歯が移動したり、動揺する)や筋肉に障害が及ぶ場合(筋肉痛、口が開かない、頭痛などが起こる)他、顎の関節の障害(関節円板の位置異常が生じ、かみ合わせがずれたり、関節で音がする)などがあります。
 また昼間に弱い力で無意識に歯ぎしりをしていることもあります。
 この場合は、かみしめの方が多いようです。かみ合わせがおかしいという方によく上下の歯を時々接触させて、自分自身でかみ合わせを確認している方がいらっしゃいますが、これは良くない習慣です。
 次回は、この「かみしめ」の正しい確認の仕方をお伝えしますので、是非チェックしてみて下さい。

訪問コラム ~ 食事中の「姿勢」をチェック! ~

 さて今回は、食事中にムセたり、時間のかかる方の食事観察のポイントです。
 変な姿勢は、体に偏った力が入り、食べ難い・飲み込み辛さを助長させます。
 正しい姿勢は、食べ難さを軽減させます。次項目をチェックしてみて下さい。

①テーブルの高さ

 本人に合った高さ(腕をテーブルに楽に置けている状態)と考えて下さい。
 高い場合は、椅子やクッションなどで調節を行うと良いでしょう。

②足の安定

 足が床につかないと姿勢が安定しません。
 台などで、足の裏をしっかり接地させましょう。

③首の姿勢

 首が上を向いた状態で飲み込んではいませんか?
 この状態は、人工呼吸を行う気道確保の姿勢ですので、飲食物が気管に入る危険性が高いです。
 舌が上手に動かせない・飲み辛くて上を向いてしまう場合は、VE(嚥下内視鏡)検査が必要です。

④背中

 ひどい猫背の場合、顔を上げるとあごを突き出して食べる事になります。
 これは、人工呼吸を行う際の気道確保の姿勢となり誤嚥し易いです。
 食事中はできるだけ背筋を伸ばしましょう。

⑤体の安定

 不安定な体を無理に支えると、体に偏った力が入ります。
 クッションやバスタオルを丸めた物などを体と椅子や車椅子の間に入れ、体を安定させましょう。

⑥椅子

 椅子からずり下がっていたり落ちそうな状態は、椅子の高さや大きさ、形が本人に合っていない可能性が考えられます。
 椅子を替えたり、クッションなどで調整を行ってみて下さい。

食事中の「姿勢」をチェック!

編集後記

 残暑の厳しい時期になりました。
 残暑が身体にこたえます。
 しっかり睡眠・食事・水分補給して夏の疲れを癒しましょう。

 さて今月の歯科トリビアは、【お歯黒】の最終回「お歯黒の終焉」です。
 幕末になり、西洋から情報が浸透していくと、お歯黒は野蛮ではないかという議論が起こります。
 そして、明治維新に伴う文明開化の中、お歯黒は徐々に古い因習であると考えられる様になります。
 諸外国と比較し異質で、未婚既婚を染め分けるのは、女性蔑視に繋がると考えられ始めたのです。
 そして、明治3年、華族(江戸時代に公家や上級武士で、西洋の貴族に倣った呼び名)に対し、「華族のお歯黒禁止令」がだされました。
 さらに明治6年には皇后もお歯黒を剥ぎ落し、 倣って官女、堂上方の女性も廃しました。
 庶民の間でも、白い歯の方が「ハイカラ」だという意識が広まり、お歯黒は衰退していきました。
 ところが、お歯黒をやめた途端に女性の「虫歯が増え始めた」のです。
 その為、日露戦争頃(明治末期)まで、再びお歯黒が盛んになりました。
 しかし日進月歩で歯科衛生の発達と共に、昭和初期にはお歯黒は終焉を迎えました。

 編集 竹腰

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