歯科衛生通信

平成32年1月号 カムカム通信

2020/01/01

歯のコト・口のコト 
~ 〜 災害時のオーラルケアのすすめ3 ~

 【はじめに】避難所などで、口腔ケア用品・水・電気などに不足がある状況を想定した内容も含みます。
 種々の代用品などを紹介しておりますが、これはあくまでも緊急措置として使用するものであり、長期での連用は危険を伴う場合もあります。
 物資の供給が安定した時点で、適切な方法へ変更するようにお願いします。
 数回に分けてご紹介していきますが、非常に、大切な内容ですので熟読し、災害に備えてしっかり準備をしておきましょう。

(5) 歯ブラシを入手できない場合は?

 タオルやティッシュペーパーなどで歯表面を擦り、できる限り歯垢を除去する様にして下さい。
 液体ハミガキ(デンタルリンス)や洗口液を併用すると歯垢を除去しやすくなります。洗口(ゆすぎ)だけでは、歯垢を除去できません。

(6) うがい薬の代用品は?

 消毒効果を有するうがい薬としてイソジンガーグルが有名ですが、歯みがきに使う液体ハミガキや洗口液などにも消毒成分を含む製品があります。
 アルコールを含む製品が多いので、刺激を感じるようでしたら、薄めて使用してください。
 医療現場にあるものの中で、ポビドンヨード(イソジンなど)、オキシドール、アクリノール、塩化ベンザルコニウム(オスバンなど)は口腔粘膜にも使用可能です。
 いずれも使用濃度を確認してください。
 なお、手指消毒用の製品には消毒効果がありますが、アルコールや洗浄成分を含むため、口腔への使用はできないものが多いでしょう。

訪問コラム ~ 入れ歯を外した後のお口ケアについて ~

 入れ歯を外した後は、お口の中もきちんとお手入れをすることが大切なのです。
 入れ歯を外した後のお口のケアについてお話をしますね。
 入れ歯と接している歯肉や上あごに食べかすや細菌などがついていて、放っておけば口内炎などの原因にもなり、自分の歯が一本もなくてもお口の中のブラッシングは必要です。
 入れ歯をはずした後は口をよくすすぎ、やわらかい歯ブラシなどで歯ぐきや舌、上あごをブラッシングすると汚れが取れ、マッサージ効果もあるので血行もよくなります。
 部分入れ歯は、入れ歯を外した後、これ以上自分の歯を失うことがないようしっかりと磨いて下さいね。
 歯がまばらになっている時は、一本ずつていねいに磨き、入れ歯の金具がかかっている歯には、特に汚れが付きやすいので磨いて下さいね。
 入れ歯をずっとはめたままにしていると、歯ぐきに負担があり、血行が抑制されがちになってしまいますので、寝るときには必ず入れ歯をはずして、歯肉を休めるようにして下さいね。

入れ歯を外した後のお口ケアについて

編集後記

 【謹賀新年】皆々様の益々のご盛栄と幸多き一年と成ります様心よりお祈り申し上げます。本年も宜しくお願いいたします。

 旧年秋から【歯にまつわる故事や熟語】の歯科トリビアをご紹介しています。
 故事成句=故事(大昔の事件や由緒ある事柄)】を語源とするもの。
 今回は【唇歯輔車しんしほしゃ】、出典は『春秋左氏伝』という聞き慣れない書です。
 西周の春秋戦国時代、晋の献公が虢(かく)を滅ぼすために、虞(ぐ)に賄賂を与え通行許可を求めました。すると虞(ぐ)の賢臣が、「虢と虞は一体であり、虢(かく)が滅びたら虞(ぐ)も滅びます。【輔車相依り、唇亡ぶれば歯寒し】と申します」と虞公を諫めたことを原典としています。つまり、両者は密接な関係にあり、互いが助け合うことで成り立つ例えです。
 ”唇歯”は文字通り「くちびる」と「歯」、”輔車”は「頬骨」と「下顎骨」のことですが、意味的には「頬骨」ではなく、「上顎骨」かもしれません。まさに歯科医師と患者さんの関係においても、当てはめることができそうです。
 上アゴと下アゴのようにしっかりとかみ合った、”唇歯輔車”を目指して来年も尽力して参る次第です。

 編集 竹腰

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