歯科衛生通信

令和2年5月号 カムカム通信

2020/05/01

歯のコト・口のコト 
~ 災害時のオーラルケアのすすめ7 ~

 【はじめに】避難所などで、口腔ケア用品・水・電気などに不足がある状況を想定した内容も含みます。
 種々の代用品などを紹介しておりますが、これはあくまでも緊急措置として使用するものであり、長期での連用は危険を伴う場合もあります。
 物資の供給が安定した時点で、適切な方法へ変更するようにお願いします。
 数回に分けてご紹介していきますが、非常に、大切な内容ですので熟読し、災害に備えてしっかり準備をしておきましょう。

(11) よく噛んで唾液を分泌させることは大切?

 よく噛むことは【唾液の分泌を促して消化を助け、またストレスの解消】にもなり健康維持に役立つことが知られています。
 唾液は【消化や潤滑】などの働きの他、【洗浄や抗菌作用】などもあり【口の清潔や肺炎予防】などに欠くことができません。
 また、避難所での生活は、メンタル面や衛生的な面でも、不安定になります。
 唾液の分泌を促す為に手軽に噛めるチューイングガム・特に【キシリトール入り】のガムには【むし歯予防効果】もあり、大変オススメです。
 入れ歯の方には、「歯につきにくいガム」もありますので、是非、避難グッズの中に、入れておきましょう。

(12) 口が渇いて困っていますがどうすれば?

 水分の不足やストレスなどで、唾液が減ることが原因です。水分を口に含んで潤したり、マスクをつけて蒸発を予防するのも良いでしょう。
 風邪予防だけでなく、乾燥緩和になります。特に、冬場の避難所など、湿度の低い環境では有効です。
 是非、【キシリトール入りガム】と【マスク】は、防災グッズとして用意しましょう。

訪問コラム ~ 高齢者の歯ぎしり ~

 寝ている人から「ギリギリ、ゴリゴリ」と音が聞こえる歯ぎしりは、本人は無意識に行っているため、人から指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
 歯ぎしりには、上下の歯を横にギリギリ擦り合わせるもの、ものを噛むように上下でカチカチさせるもの、強くくいしばり音が出ないもの、などがあります。
 歯ぎしりの原因として、かみ合わせの不均衡、精神的・身体的な疲労やストレスなどがあげられますが、健康な人でも起こす生理現象であるとの事です。
 高齢者の場合は、睡眠障害や認知症などが原因になっている場合もあります。
 歯ぎしりは音が周囲の迷惑になるだけでなく、顎の周りの筋肉に力が、かかっているので歯を傷めたり、歯を支える歯槽骨が壊れて歯周病の原因になったり、顎関節症になったりします。
 歯の本数が少ない高齢者では、残った歯に歯ぎしりによる悪影響が現れます。
 認知症が進行した高齢者では、唇や舌、頬粘膜を噛んでしまうこともありますので、是非、歯科医師に相談をして下さいね。

高齢者の歯ぎしり

編集後記

 新型コロナ対策【ステイ・ホーム】習慣。・・外出は極力避けて救える命を救う為に、医療従事者への負担を減らしましょう。

 今月からは、「歯の神様」トリビアをお届けしようと思います。皆さんは「歯の神様」をご存知でしょうか。
 近代医学が発展し続ける現代では、「迷信」と言う人も少なくありません。
 でも、実際に日本で信仰されていた「歯の神様」を祀る神社・仏閣・石像数は、全国約300ヶ所くらい存在すると推察されています。
 ちなみに「歯の神様」の信仰が始まったのは、江戸時代中期〜頃と言われます。
 当時は、殿様・武将など一部権力者たちお抱えの「口中医」という療術者がいましたが、庶民には無縁の存在でした。
 それ故、庶民は、歯痛に苦しむ時の対処として、「神頼み」「まじない」が唯一の手段でした。
 現在も残る風習の一つに「上の歯は↓縁の下へ、下の歯は↓屋根の上に投げろ」というものがあります。
 この風習は、地方によって「ネズミ(鬼)の歯に生え変われ」と言って投げるそうですが、いずれも丈夫な歯を願う行為です。
 このように、地方によって祈願や報謝の方法などが異なるのも興味深く、順序ご紹介して参ります。

 編集 竹腰

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