歯科衛生通信

令和2年6月号 カムカム通信

2020/06/01

歯のコト・口のコト 
~ 災害時のオーラルケアのすすめ8 ~

 【はじめに】避難所などで、口腔ケア用品・水・電気などに不足がある状況を想定した内容も含みます。
 種々の代用品などを紹介しておりますが、これはあくまでも緊急措置として使用するものであり、長期での連用は危険を伴う場合もあります。
 物資の供給が安定した時点で、適切な方法へ変更するようにお願いします。
 数回に分けてご紹介していきますが、非常に、大切な内容ですので熟読し、災害に備えてしっかり準備をしておきましょう。

(13) 口臭が気になる時、どうすれば?

 被災後の不自由な生活環境を背景に、口腔の「不衛生」と「乾燥」が原因になっていることが多いです。
 歯みがきと洗口を中心とした口腔清掃による衛生状態の改善と保湿によって、口臭を大幅に改善できます。
 衛生状態の改善には、何といっても歯みがきです。
 歯ブラシで歯の表面を擦って、歯垢を除去するようにしてください。
 歯垢は、歯の表面に付着した菌の塊で、悪臭を発します。歯みがき剤がなければ、歯ブラシを水で濡らすだけでもかまいませんが、歯みがき剤や洗口液・うがい薬などがあれば、手洗い時の石けんと同じように、歯垢を除去しやすくなります。
 そして、仕上げにブクブク洗口をしてください。
 洗口は、乾燥予防にも有効です。
 乾燥は唾液の分泌が減ることが原因です。
 水分摂取の不足やストレスは唾液の分泌を少なくします。
 ストレスの緩和も兼ねて、ガムを噛むのも有効です。
 乾燥予防には、マスクをつけるのも良いでしょう。
 口の中に塗る湿潤ジェルを入手できるならば、舌や頬の粘膜に薄く塗ると、乾燥、口臭の予防に有効です。
 是非、【キシリトール入りガム】と【マスク】は、防災グッズとして用意しましょう。

訪問コラム ~ 食べる時の姿勢 ~

 高齢者の食事では、「おいしく食べる」事と同時に「安全に食べる」事にも気を配る必要があります 。
 誤嚥を防いで安全に食べるためには、姿勢がとても大切です。
 食べ物をしっかり飲み込んで食道に送るためには、首の角度が重要になってきます。

 【正しい食事の姿勢】
 上半身を起こして背中を少し丸め、やや首を前屈させます。
 この姿勢ならば、「ごっくん」と飲み込んだ際に、のどが自然に上下に動きます。

 【危険な食事の姿勢】
 リクライニングで上体が反り返った姿勢や、介護者が上から介助する姿勢は、首が伸びてしまうことでうまく飲み込めていません。
 気管も開きっぱなしになるために、食べ物が流れ込んで窒息する危険もあるので気をつけましょう。
 また、おいしく食べるためには、お口の中が健康であることがとても重要です。
 老化が進むにしたがって、噛む力や飲み込む力は衰えてきます。

お口の健康をいつまでも長く維持するためには、口腔ケアが大事になってきます!!

食べる時の姿勢

編集後記

 全面解除になりましたね。しかしながら、新型コロナウイルスは、消えないので、十分注意しながら生活していきましょう。

 先月から「歯の神様」トリビアをお届けしています。
 さて、歯の神様と言えば【白山神社】ですね。全国各地にあり、ご存知の方も多いですよね。
 「ハクサンさま」「ハクサンさん」の愛称で、人々に親しまれています。その由縁は、一説に江戸時代中期、後桜町天皇が歯痛で苦しんでいた際に、女官が白山神社(東京)から持ち帰った神箸(しんばし)と神塩をつけたところ、たちまち歯痛は治ったそうで、そこから白山神社には「歯痛平癒」「医療安全」のご利益があると信仰を集めたそうです。
 ちなみに、宮中では【初お歯黒】をつける時には、白山さまの神楊枝(昔の歯ブラシ)と神塩を使っていたといわれております。
 又、古くは歯の病のことを総称して「歯臭(はくさ)」と言っており「白山」に通じる語呂合わせから「歯苦散」とも言われたそうです。
 歯の苦しみが散るとして、白山神社の箸を使うと虫歯にならないという故事が残っており、現代でも、歯の悩みのある方を始め、医療安全を願い医師たちも参拝するそうです。

 編集 竹腰

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